しいたけ日記

日々の徒然

心残り

お泊り翌朝、
私は有休を取っていた。
〇長はAM11:00にアポがあった。



昨夜、何度となく「きらい」と
私に言っていたTさん。
抱き合ったけど、仲直りのそれではなく、
「これで最後かな。。」という空気が
流れていたし、それでいいと思ってた。
色々言葉は重ねたけど、答えなんて
結局出ない。Tさんと不倫が始まってから
終始一貫、思ってたこと。



『いつかは終わる、それが今ってだけ』



支度をして、朝ごはん食べて、
私は会社に行かないから、部屋で〇長を見送る。



私「きらい?」



俺「そう言わんと踏ん切りつかへんから」



私「やっぱりもう終わるってなると
  名残惜しいもんやね」



ここではらはらと涙がこぼれ出した。



俺「(別れたら)もうさざなまんでいいし」



私「ひとつ、心残りがあるとすれば
  誕生日をお祝いできひんかったこと。
  去年も結局、微妙な感じになったし
  …ほんとごめんね」



俺「謝らんでいい、もう行くわ」



私「うん、行って。
  じゃあね、バイバイ」




7月のTさんの誕生日。
3月にアウトレット行った帰りの車で、
Tさんは来年の私の誕生日(←日曜)に
必ず一緒にいると言ってくれた。
私もこの時、4ヵ月先のTさんの誕生日を
お祝いする気満々だった。
心から、一緒にいたいと思ったし、
一緒にいて喜んでくれることを望んだ。



私「7月〇日は空けててね」



Tさんは、うれしそうに、
本当にうれしそうにしてくれてたっけ。
友達と行ったレストランが美味しくて
素敵だったから、Tさんの誕生日ここは
どうかな、って思ってたよ。
物だと怒るとすぐ処分されちゃうから、
プレゼントはどこかのお店に置いてて
〇長が気に入ってた化粧品にしようかな、
とか、楽しい気持ちで考えてた。
(すぐ処分ってどうかと思うけど 笑)



自分でも3月思えたことが、なぜ思えなく
なったのか分からない。
寧ろ、あの日の自分が普通じゃなかった?
瞬間的にだけど、ずっと一緒にいられるような
そんな錯覚に陥っちゃってたのかもな。



私は思ってることは伝えたし、
もうこれでいいや、と思ってたけど、
アポが迫ってたこともあり、Tさんは
まだ言い足りなかった模様。
ちなみに仕事だからと置いてかれても、
全く、優先されない感に苛まれない!



お昼頃、



俺「時間がなくて思ってることの
  半分も話できなかった。
  週末までにメールします」



とのメールが来ました。
確固たる意志があれば、無視するべきなのか。
少なくとも「もう話すことはありません!」
くらい言うべきなのか。
未練なのか事なかれ主義精神なのか、



私「メール待ってます」



と返信してしまった。。

この時の電話はけっこう堪えた。



” 俺と居ても全然癒されへん "



あれは、絶対私に向けての言葉だったと思う。
電話の翌日は少し泣いた。
週末思いっきり泣こう、と思ってた…けどさほど
泣かなかった。いつもいざ終わる、ってなった時
思い出すのはやっぱり楽しかったことなんだね。
後ろ髪をひかれることがあるとすれば、
楽しかった日々と、もしかしたらこれから先に
あるかもしれない楽しいことへの期待、かな。
その期待は時が経てば経つほど減っていくもので、
もしここで踏みとどまっても、同じ事の繰り返し。
ここらへんが潮時だと思う。
だから、自分からは連絡しないスタンスでいた。




お泊り予定だった前日。
Tさんからメールが来てたことに夜中気付いた。


(またもや、Tさんとのメール履歴、
 全消去してしまった…と言っても
 ここ1ヵ月分だけだけど。なので記憶頼り…)



俺「この前は悔しくて、きついことを
  言ってしまってごめん。
  電話切ったあとスマホたたきつけて
  (云々…)
  キャンセルできない予約だから
  自分は予定通り泊まります。
  おひめんがさざなんでなかったら
  ちょっとでもいいから会いたい」



というような内容だった。
この前の電話の時、



俺「予約して、行くのか行かへんのか、
  どうするんやろ、どうするんやろ
  って考えて、バカらしいなって思えて」



とも言ってはったっけ。
よほど決まってたことを正当な理由なく
(体調とか大事な用事とか)さざなみ
ごときで反故にしたことが、許せなかった
んだろうな。
私もTさんが言うこと、半分は分かる。
たださざなみを『正当な理由』と見なして
くれないTさんを私は無理だと思った。



…結局、泊まりましたけど。
Tさんもびっくりしてた。(だよね。)
話、しなきゃな、と思って。



仕事終わって、待ち合わせて、ホテルに
向かう。手も繋がないし、微妙な距離感…
だけど、夕飯食べてても、普通に話すし
笑うし、楽しい。ただ、恋人じゃないだけ。
初めて何もなくお風呂に入り、ベッドに
それぞれ横になりました。




俺「ほんまはまださざなんでるんやろ?」



私「〇長こそほんとは私のこと
  許してないんじゃないんですか?
  私の事、嫌いになった?」



俺「嫌いになりかけた。4月の時も…」



私「さっき何で今日泊まるって言ったん?
  って聞いてはりましたよね。
  好きやから、一緒にいたいと思った
  からですよ」



俺「今さらそんなこと言う?」



と言うと、Tさんは覆いかぶさってきた。
私も応えた。
でも〇長が求めれば求めるほど、何か空しく
なってきて、涙を流してしまったんだよな…
それに気付いて、



俺「泣いてるん?」



私「うん…」



俺「ごめん、ごめん、ごめん
  ズルいよな」



と言って、部屋を出て行こうとする〇長。
夜中だよ、どこ行く気よ、、必死に止める私。



私「そうじゃない。
  嫌で泣いたわけじゃない」



何がそうじゃなくて、何の涙なのかも
自分でもよく分からなかった。ただ、
嬉しい涙じゃないことだけは、Tさんも
私も分かってた。
なし崩し的に身体で繋がって、
はい元通りってなるわけにはいかない程
今回のさざなみが深かったのかな。



それなのに、プライドが傷ついたであろう
〇長を見てたら、これまたどういう心境か
不明だけど、抱き合いたくなってしまった。
結局、その時と真夜中と2度抱かれた。
私はTさんが終わる、と言ってくれれば
one hundred percent agree with youなのに。

ほっといてほしい

5月から決めてた6/16週のお泊り。
それまでには連絡しよう、と思ってた。
思いつつ、また怒らせたんやろな、
その内また「終わろう」メール来るかな
とか思って、気が付けば1週間経過。
この時点でお泊りをキャンセルしたい、
と思ってたわけではない。
でも行きたい、とも思ってなかった。



座席も担当も変わって、格段に〇長との
絡みがなくなったこともあり、これまで
関係が悪い時に遭遇した自分に対する
〇長のあたりの強さを、目の当たりに
することがなかったことも、音信不通を
長引かせたかもしれない。
(でも、怒ってるのは感じたけど)



そして、
とうとう〇長からメールが来てしまった。



俺「おはよう。来週どうされますか?
  休暇連絡もされてないし、率直な
  気持ちで返事下さい」



(この文体、、
 怒ってる、この人は怒ってる、、)



確かに映画の日の私の態度は悪かったかも
しれへんけど、〇長も普通に「どうする?」
って軽く聞いてきたらいいやん?
私はほっといてほしいけど、いかにも
腫れ物にさわるかのような、さざなんでる
体で接するんじゃなくて、むしろ何事も
なかったように、来週お泊り行く前提で
軽くメールもらった方がよかったのかなぁ…
事なかれ主義な私は、心から申し訳ない、
と思ってなくてもとりあえず謝る。



私「お疲れさまです。
  またさざなんじゃってごめんね…
  率直な気持ち、、またTさんを
  怒らせた、というか嫌な気分にし
  てしまった、と思ってごめんなさ
  い、と思ってます。
  そんな顔させたくて、一緒にいる
  わけじゃないのに、ただ笑って側
  にいることができなくて、ごめん
  って感じかな。
  今日、電話できそうな時間あった
  ら連絡下さい。私はいつでも大丈
  夫です。」



そこまでごめん、と実は思ってない、、
行くとも行かないとも言わず、ひとまず
電話へ逃げて、Tさんの出方を見る、、
私は何と言ってほしかったんだろう。
1時間半くらい電話して、
さざなんだ経緯とかさざなみ時の対応とか
私なりに説明した。



俺「半分は理解できた。
  今回もほっとこうと思ったよ。
  でも日もせまってきたし。
  さざなむのは仕方がないとして、
  それならさざなんでるから
  来週はキャンセルしたい、って
  言ってほしい」



そう言ったら言ったで、怒りそうやけど、、
確かに、お泊りに関して、
そもそも私が望んだことやし、あれやこれや
事前にTさんは根回しをしていたに違いない。
そういうことを電話でも言ってはった。



俺「急に言って、急に泊まれるわけじゃない。
  今回のお泊りも、何日も前から出張やって
  言ってるんやで」



ここで、平均的な愛人は「ごめん」と
思うのでしょうか。
時間を作ってくれてありがとう、とか。
私は内心「知らんがな」と思いつつ、



私「泊まるとか、私が望むことを
  実現する為に、Tさんがどういう
  やりくりをしてはるか、分かろうと
  してなかった部分はあると思う」



俺「100%は無理かもしれへんけど、
  でもできる限りやってるんやけどな…
  こんなこと言ったらあれやけど
  ホテル代もう入金済みやったんやで」



(ホテルどこにしよう、とか
 全然話してなかったやん。。
 勝手に決めて、入金済みとか言われても)



と、反発気味に聞いていた私。
ところが、6月の宿泊先は5月にすでに
やりとりして、BOOKING済みだったことを
失念してたのは自分でした。
スマホ故障で履歴が全部消えてしまったから
すっかり忘れてしまってた。
この点は本当に申し訳ない、と思ってます。
でもそれを電話中に思い出すことはなく…




俺「さざなんだら1、2日で戻るって
  ものでもないし(こんなんじゃ)
  これから先の予定を立てるのも
  難しくなる。
  沖縄も他人事みたいに言ってたし、、
  先の予定を楽しみに過ごすことも
  できひん、1週間も連絡しいひんとか
  恋人って言うのかな。
  俺といても全然癒されへんやろし」



私「それは私のセリフですよ。
  一緒にいて楽しいことが前提やのに
  嫌な思いばかりさせる。
  そういう自分も嫌なんです。
  だけど、我慢もできない。
  それは私が傲慢なのかな、とは
  思う部分でもあるんですけど」



うそは言ってないけど、本心も言って
ないんだよね。
終始かみ合ってない感があって、
改めてTさんと自分は物事の尺度というか
視点が違うな、と思えて悲しかった。
私は、結局泊まる、とは言えず。



俺「しばらく連絡も控えます」



私「分かりました。じゃあね」



と電話を切った。
これってもう終わったってこと?
ここでTさんに何か言わなきゃ
ほんとに終わるかな、とは思った。
でも「泊まる」と言えない私は
何を言えばいいか分からなかった。

6/2週②

水曜日
この日は映画に行く予定だった。
早い時間の上映にしてたのに、
事前に会社出る時間のすり合わせもせず
気乗りしてない感漂う…お互い。



定時を30分程過ぎ、私が事務所を出ると



俺「今日、どうするの?」



とエレベーター前に〇長がやって来て
エレベーターが開いたら、人が乗ってて
そのまま二人で1階まで降りた。
上映開始にはすでに間に合わない。



私「最初の15分は予告とかやから
  私は行こうかな、と思ってる。
  〇長はまだかかりそうですか?」



俺「あと10分くらいで出れるよ」



私「じゃあ、先行ってます。
  後で座席連絡します」



俺「追いかけるわ」



座席をメールで連絡して、
先に座ってよう、と思った矢先
〇長がやって来た。
映画は結局、最初の15分ほど本編を
見逃したけど、問題なく楽しめた!
映画は考えさせられる系より
マーベル系とかアクションものというか
ザ・エンターテイメント的な作品が
好きです。
映画に集中してますオーラ全開で
上映中、一切Tさんの方見なかった。
エンドロールになって、
Tさんが手を握ってきた。



私「おもしろかったね!」



あくまで映画の興奮冷めやらぬ体で
(ほんとにテンション上がってたけど)
あーだこーだ映画談義に終始する。
映画の話しかしません。



何も食べてなかったので、軽め?にピザを。
ここでも映画、仕事、職場の誰それがどう、
とかそういう話。
おそらくこういうのをTさんは嫌う。
2人の時は、仕事の話は最小限にとどめて
これからの予定とか上司・部下じゃない
部分の楽しい話をしたいのだと思う。
さざなみモードに入ると私はこれができない。



何となく刺があると感じてはったのか
何も感じてなかったのかは分からへんけど、
別れ際、決定的にさざなみモードを表面化
させてしまう私の行動。
駅に着いて、じゃあね、という時、
向かい合って、Tさんはキスしようとした。
私は顔を背けた。
Tさんは、少し自虐的に微笑んで



俺「じゃあね」



と言った。



私「じゃあね、バイバイ」



その後、1週間、連絡取らず。
でも一度も涙とか流さなかったな。。

6/2週①

日曜の夜、
平日映画の件でメールやりとり。



色々なキャラのスタンプを
繰り出してくるTさん
恥ずかしながら、楽しいやん!
と浮かれる40代…



私「(スタンプ)
  うれしがって色々送っちゃうか
  も。おやすみなさい 
  (スタンプ)」



俺「(スタンプ)
  こんな感じで手軽にコミュニケー
  ションするのも楽しいかも。
  (後略)」




月曜の帰り、私より少し前に
帰ったTさんからメールが来てた。
電車トラブルで足止めだそうな。
その週のミーティングについての
業務連絡から始まり、お互いの
スタンプが昭和だのシュールだの
親父ギャグだのやりとりして、
電車は動く気配なく、駅ホームに
降りれるとのことだったので、
「ちょっと電話していい?」
スタンプを送る。
電話の直前、長いURLの添付と共に



俺「強行プランかな~」



とのメールが届いた。
4ヵ月先の旅行プランだった。
GW明けに会った時、この時期に
沖縄かTDL行きたいな、って
思ってた、と言っていたTさん。
その事は普通にうれしかった。
でも、URLを開いた時、思った事。



(やっぱり沖縄なんや、沖縄で1泊2日なんや
 沖縄行きたいだけやん、、)



楽しみとかうれしいとか喜ぶ感情が
まるで沸き上がらなかった私…
元々、TDLは私、沖縄はTさんが
行きたい場所だったから。
前週の日程変更が尾を引いてたのもある。
その後の電話で、私は旅行のことに
一切触れなかった。
〇長も「見た?」とかなかった。
かと言って、電話が険悪ということは
なく、さりとて甘々というこもなく
今から車内戻って座れそう?と聞くと、



俺「もう席埋まってる。
  誰かかわいい子の膝の上
  座っちゃおうかな」



私「セクハラや。
  そんなこと言わはるの珍しいね」



俺「焼きもちやいてほしいな、と思って」



そういうの可愛くない。
何だか楽しくない気持ちのまま
電話を切った。



翌日。
残業で職場には〇長と私ふたり。
実はもう帰ろうかな、と思った時、
もう一人の人があと少しで帰りそう
だったので、微調整してしまった。



私「お忙しいんですか?」



俺「そうでもないで」



…しばし真面目に仕事。
席替え後の席に〇長が寄ってきた。
〇長の膝の上に座ってお話。



私「沖縄行かはるんですか?」



俺「行きたいな、と思って」



私「へぇ。
  6月のお泊り、次の日はフレックスに
  しはるの?」



俺「どうしようかな~」



職場でも、プレイベートで会う時も
私の話は〇長とTさんが入り乱れます。
『仕事の話聞いてくれる人』としての
Tさんも対Tさんとの人間関係において
大事な構成要素のひとつと私は思ってる。
けど、きっとTさんは仕事の話するのに
本当は前向きではないんだろうな。



ひとしきり職場のことも話しつつ、
日程変更について言ってみた。



私「先週の日程変更、
  実はさざなみかけた…
  でも好きやから、踏みとどまった」



俺「ありがとう」



(???)



ここで、私は「ありがとう」ではなく
「ごめん」を求めてた。
「ありがとう」って何やんねん。。
もっと謝れよー!が率直な感想。
しかも、そろそろ帰ろう、となった時



私「あと5分!」



と言う私に



俺「あと5分ですまへんやろ?
  (2分くらい経って)
  はい!5分経ったで」



私「経ってない!」



俺「はよ、行くで」



これがさざなみに追い打ちかけました。
この手の無理、言いがちです、私。
〇長は基本、聞いてくれてた気もする。
でも、さざなみかけた、と自己申告した
この日こそ「じゃあ5分ね」と黙って
一緒にいて欲しかった。



駅に着いて、



俺「ほら、もう5分以上
  一緒にいるやん」



私「そういうことじゃないねん。
  今の5分は意味ない」



俺「女心は難しいなぁ」



車内で、隣に座りながら
Tさんはスマホでスタンプを連打



(へえ~)
(まえむきに!)
(なんで?)
(せやな)
(ありがとうございます)



『(まえむきに!)』が
猛烈にカンに触ってしまった。。
地元の駅に着いて、私は



(TAKE CARE.)



のスタンプを送った。
もうさざなみは大波になってしまった。